日本全国津々浦々、さがしてもうなぎ屋の無い県はないでしょう。それほど日本人の舌と鼻に馴染んだあのあまじょっぱい香りと炭の香り。どことなく、もくもくと煙漂う店の軒先を見ると「お、ここはいい店だね。ひとつはいってみようか」などと唆られてしまうものです。
しかしちょっと敷居が高いのがそのうまさ然ることながらその値段の高さ。お重に詰まるその滋味極まる味わいは安くとも1500円から高いものとなると4千5千を超えるものもあってなかなか手が出しづらいもの。土用の丑の日ともなればその価格帯はグッと上がってみたりと年に一度のハレの日のような思いでいただくわけです。日本食とは難しいものですね。しかし、せっかく味わえるのだったらその薀蓄(ウンチク)をすこし頭に入れてみると選びかたも見えてくるというもの。それでは「うなぎ」にまつわるあれこれを調べてみましたのでごらんください。
目次
- ● うなぎを炭火で焼く理由とは?
- ■ 国産・天然のうなぎを食べたい・・?!
- ▲ 養殖うなぎの旬はいつ??
- ● うなぎの栄養価は?
- ■ うなぎに山椒をかけるのはどうして?
- ▲ SAITABI流うまい鰻屋の選びかた?
- ● 1.次々と旨すぎるつまみが出てくる..コスパ◎の「㐂久(浅草)」
- ● 2.成田山新勝寺でお参りをするなら立寄りたいうなぎ屋!予約システム充実な「川豊本店(成田)」
- ● 3.日本橋が誇るうなぎ 「高嶋屋」
- ● 4.浜松駅から徒歩1分。鰻を愛する親子四代が繋いだうなぎ屋『うなぎ 藤田』(静岡・浜松)
- ● 5.うなぎの変わり種。お櫃うなぎ茶漬で舌鼓『うなぎ八百徳』(静岡・浜松)
- ● 6.自宅で手軽にお取り寄せのうなぎ
うなぎ を炭火で焼く理由とは?
それでは、はじめに炭火で焼かれた鰻のうまさの秘密を紹介しましょう。
たしか究極のドラマ・アニメ(笑)『美味しんぼ』でも鰻をガスで焼いているお店があって、鰻は炭で焼かないと旨くないといったような話しがありましたがここでは炭火焼きとガス焼きの違いをお話しましょう。
木炭を燃やすと独特のあのツンとした香りが案外癖になるものですが、美味しさの秘密はあの匂いだけではもちろんありません。炭というと「備長炭」を浮かべる方が多いとおもいます。備長炭は一度火を起こすと火持ちが良いので火力が安定してムラの無い焼き加減になります。これですぐに消えてしまうような安い炭だと補給するごとに温度を下げてしまうことになりますので特に店の料理で使うのであれば備長炭の炭焼がいいですね。
よく家庭で使われるようなガスの火の行き渡り方に比べて備長炭の火というのはゆっくりゆっくりじんわりと中に火力を加えていくのでガスのように先に表面を焦がしてしまうようなことがなく直火で焼いても遠赤外線でふっくらと仕上がるのが特徴です。
また炭火焼きは網の上では鰻の皮を網にくっつけてしまうことになりますので、捌いた身を串に挿して焼きます。
この串に挿すのを「串打ち」というようですが、これもまた「串打ち三年、焼き一生」なんて職人の道では云われているようですが、身と皮を縫うように串を通すのも経験の積んだ技のよう。繊細かつ素早く串をうまく挿していかないと蒸しの段階で身から串がすっぽ抜けるなんていうこともあるようです。そうしてうまく串打ちされた鰻を煌々と赤く色づいた炭台の上に金串を橋渡して熱を与えていきます。
この炭火でじっくり焼くというのもお店でしか味わえないうまさですよね。
国産・天然のうなぎ を食べたい・・?!
うなぎ を知らないと「旨いうなぎ=天然もの」という風に考える方が多いのではないでしょうか。ここで紹介するのは天然うなぎの話し。
「天然のうなぎ 」の生体を知っていますか?天然うなぎにはおもにニホンウナギや下りうなぎと呼ばれる種類のウナギがいます。
腹と背の色を見るとその違いは明確で、ニホンウナギの方は背と腹がきれいに灰色と白に分かれていて、下りうなぎ は腹部分は黄色い色をして背中がすこし緑がかっているのが特徴です。天然うなぎ の旬は5月〜11月頃。冬は冬眠してしまうので一般的には冬眠前の養分を蓄えた秋から冬頃が旬だといわれています。
また、自然で育った分、天然の方が泥臭さを感じてしまうのが特徴のようです。店の作り方にも寄りますが泥臭さを感じず安定した脂ののった美味しいウナギを選ぶなら養殖の方がいいのかもしれません。
また、ここからが注意したいところなんですが・・・国産うなぎ というのは、天然うなぎ と違ってほぼ97%が養殖なんです!!
実は海外で生まれて稚魚で育って成長して日本の養殖場に移動したものを、「国産うなぎ」といって販売しているんです。育つ環境が日本が長いか、海外が長いかそれで産地を決めているようなんですよね。いわゆるこれが”養殖うなぎ “の話し。そういうわけで天然ものにと拘るかたは店を探すときは「国産」ではなく「天然うなぎ」とかかれたお店が探すのが良いでしょう。
さて天然うなぎ の旬と味わいについてもう少しお話しましょう。季節によっても風味が変わります。
春〜夏:あっさりした風味の皮目を楽しみたいなら春から夏の暑い時期の天然ものを。
秋〜冬:肉厚で脂が乗っているため夏を過ぎたこれからの時期が旨いといって楽しむならうなぎ が冬眠前のこの時期を。
季節によって違う味わいを楽しめるのもこの天然のうまさ。とはいえ2014年にニホンウナギは絶滅危惧種に指定されたこともあり、より天然うなぎ を食べることはむずかしくなりました。うなぎで有名な浜名湖でも天然ものを育てても地元の人もなかなか口にできないという天然うなぎ 。稀少なうまさに出会えたなら感謝して味わって堪能したいですね。
養殖うなぎ の旬はいつ??
養殖うなぎ の旬はないというのが一般説。店に出されるものは季節を問わず一年中変わらぬ味と栄養価でいただけるもの。けれど、養殖うなぎ にも食べ時の旬はあります。それを見抜くのが職人のしごと。これはうまい目をもった職人のお店でいただきたいものです。
養殖うなぎ は温度管理や、水質管理、餌の管理などをされていて、場所によっては水槽の下に川と同じように砂利や砂を入れて育てるところも。その分水槽の掃除は大変になるのだけれど、そこもあえて取り組んでいるところなど感心してしまいますね。またうなぎ の養殖には水が命。時間をかけて丁寧に育てられた経緯があるからあの味わいが生まれるんですね。
また加えてお話しすると、養殖うなぎ の元々は天然の「シラスウナギ」を捕獲して育てているんです。
シラスウナギの産卵場所というのが謎に包まれていてここ数年で、太平洋のマリアナ海域で卵が孵化して東アジアの方まで回遊して向かうことがわかりました。けれど近年ではこのシラスウナギの乱獲などが要因で不漁となり、価格も高騰。養殖とはいえ、この稚魚が無くなればうなぎ を食べることがますます難しくなるという事態が起きているんです。
そこで近年(独)水産総合研究センターのプロジェクトの「うなぎ の完全養殖」が、ここ何年も話題となっています。
しかしこの完全養殖、実験は成功したにもかかわらず「天然資源に依存しない」状態に辿り着く前にまた新たな課題が見えてきました。
というのも簡単ではないんです。シラスウナギの量産化のためには良質な卵をたくさん生ませる技術や大量生産の開発などのハードルがあるんです。研究の実用化としてはまだ時間がかかりそう。
天然資源にこだわる考え方があるのとは対照的に、こんな形で自国でうなぎ の生産についてこだわって研究があるんですから日本食の奥深さを感じますね。
うなぎ の栄養価は?
たんぱく質が多くビタミン豊富なうなぎ。その上、DHAやEPAも含まれているうなぎ は栄養満点。夏バテにはもってこいの食材としても知られていますが、肌荒れ・老化防止のほか動脈硬化や高血圧などさまざまな効果のある栄養素が含まれているんです!!それではどんな栄養が含まれているのかくわしく紹介します。
人間に欠かせない栄養素「たんぱく質」
たんぱく質は体に必要な栄養分。この栄養分が人間の命を守っているといっても過言ではありません。内蔵や血液にはじまり、ホルモンや細胞、骨筋肉、粘膜や肌も造ります。また体内にとって生命の意地に重要な順番に消費されていくというのもたんぱく質の特徴です。人間の日々のストレスや生活スタイルによって日々傷ついた細胞などを修復する役目をしているんですね。
たんぱく質が不足すると・・
- ✓ 肌のハリツヤが無くなってきた・・
- ✓ 低カロリーの食事ばかりしている・・
- ✓ 集中力や思考力が低下している・・
こんな状態ならたんぱく質が不足しているかもしれません。
目が疲れたり肌荒れのときにはビタミンA!適量がポイント!
うなぎに含まれるビタミンAは水に溶けにくい脂溶性ビタミン。レバーなどにも含まれるレチノールという栄養が関係しています。目の健康を保つのに必須といわれているビタミンです。
ビタミンAが不足すると・・
- ✓ ドライアイが続く
- ✓ 肌の潤いが不足して乾燥している
- ✓ シワやたるみが気になる・・
こんな症状に適しています。また風邪のひきはじめなどビタミンAをうまく補うことで栄養補給につながります。
しかし、注意したいのが、レチノールの過剰摂取です。レチノールは決して体に悪いものではありませんが体に溜まりやすいので過剰に撮ると過剰症を引き起こすといわれています。脱毛・筋肉痛などのほか妊娠中などは胎児に奇形が起こることがあると報告されているので摂取には十分に気をつけましょう!!!
ちなみに成人では2700μg(うなぎ 蒲焼き100g中=約1,500μgRE)が目安となっています。妊婦さんが食べられるうなぎ の蒲焼の量は50gと制限されていますので摂取量には十分気をつけることが必要です。
糖質をエネルギーに変えるビタミンB1!疲れた時は甘いものと一緒に!
水に溶ける性質を持った水溶性ビタミンです。炭水化物(糖質)を体内でエネルギーに変換する役割をしています。また脳の神経機能や心臓機能を守る働きがあります。
糖質だけでは実はスムーズにエネルギーとして使うことができないのをこのビタミンB1と同時に摂取することによってエネルギーの変換に効果を発揮しているんです。だから、疲れたな・・と思ったときは甘いものと一緒にこのビタミンB1を一緒に摂らないと効果が無いんです。
ビタミンB1が不足すると・・・
- ✓ 糖質のエネルギー代謝が悪くなって疲れやすくなる・・
- ✓ 心不全や末梢神経障害、かっけなど・・
- ✓ 消化不良・食欲不振
- ✓ 精神が不安定・集中できない・・
ビタミンB1は水溶性のビタミンですぐに体外へ排出されてしまうので体内に残しておくことができないので毎日摂取が必要な栄養素です。
糖質・脂質・たんぱく質をエネルギーに変換するビタミンB2!アンチエイジングにも
ビタミンB1に引き続き水溶性ビタミンであるB2は糖質のほかに脂質やたんぱく質もエネルギーとして変換させてくれる役割をしています。
子どもの成長を促進させたり大人も髪の毛や爪を作ったり肌や粘膜を再生させる作用があり老化防止になっています。こちらも体外に流れ出やすい栄養素ですので毎日こまめに摂取することが必要とされています。特に、お肉などの脂っぽいものばかりを食べたりアルコールの取りすぎなどの食生活をしている方、肥満やメタボに悩んでいるかた、肉体労働や抗生物質を長く服用されている場合など大量に消費されていしまいますので積極的にとるようにしましょう。
ビタミンB2が不足すると・・
- ✓ 肌荒れ・皮膚炎・・
- ✓ 舌や粘膜の炎症・口内炎・・・
- ✓ 眼精疲労・目の充血・白内障・・
ビタミンB2をこまめに摂取することによって成人病でもある動脈硬化や心筋梗塞などの原因となる体内の活性酵素を取り除く作用があり、老化や病気の予防にも役立ちます。
カルシウムのバランスを助けるビタミンD
ビタミンDは脂溶性のビタミンで洗ったり加熱の処理をしてもほぼ変わらず摂取できる栄養素です。また脂での調理ならより吸収率が高まるといいます。カルシウムのバランスを整えるの手伝ったり骨の健康を保つのを支えています。遺伝子にまで関与しているので不足すると軽い不調だけでなく重症な疾患に至ることも。また、生成をするためには食事とともに日光浴も必要とされています。
ビタミンDが不足すると・・
- ✓ 骨粗鬆症や骨軟化症・・・
- ✓ 虫歯になりやすい・・
- ✓ 筋力低下や足の痛み
- ✓ 花粉症・・
- ✓ 糖尿病・・
- ✓ うつ・食欲不振・嘔吐・・
- ✓ 腎障害・・
ますます見逃せない栄養素ですね・・
脂質の酸化を防いで血流をよくするビタミンE
天然のビタミンEにはトコトリエノール類とトコフェノール類に大きく分類される8種の栄養素が入っています。脂溶性で活性酵素の攻撃から細胞膜を守る働きをしてくれます。特に四十代の方は血中の過酸化脂質の量が増加してさまざまな生活習慣病を引き起こすといわれていて、脂質が酸化して変異していまうのを防ぐのがこのビタミンEなんです。血流を良くしてくれるので冷え性や肩こり肌荒れのほかに、前立腺願や胃がんの予防、コレステロールを下げる働きもしてくれます。
ビタミンEが不足すると・・
- ✓ 肩こり・冷え性・・
- ✓ 肌荒れ・皮膚炎・・
- ✓ 前立腺がん・胃がん
またビタミンEの抗酸化力はビタミンCとの同時摂取に発揮されるといわれています。うなぎ と一緒にビタミンCのあるピーマン・小ねぎ・葉ねぎ・さやいんげん・キャベツ・トマト・カリフラワーなどの野菜や果物を摂ると良いでしょう。
体のサビを予防するミネラル・骨をつくるカルシウム
うなぎ に含まれるミネラルには亜鉛が含まれます。この亜鉛の働きというのがコラーゲンの合成に関わっていて細胞膜の抗酸化作用もあります。こちらも皮膚の再生や毛髪を守り精神安定も助けます。また骨の組成するカルシウムも酵素の活性化やホルモン分泌を助けます。カルシウムはビタミンC,D,Kなどの栄養との摂取によって骨の成長を助けるためビタミンDを含むうなぎ は非常に効率のいい食品といえます。骨の成長のほかに高血圧やアレルギー症の症状も助けます。
動脈硬化や高血圧に効果的!DHA、EPA
うなぎ のの脂質に含まれている栄養素にはEPAやDHAが豊富に含まれています。血栓を溶かす働きがあることから動脈硬化や高血圧にも効果的と言われています。生活習慣病にも効果的です。
ぬるぬる成分ムチン!胃酸から胃を守り風邪やインフルエンザ予防にも!
納豆や山芋などの食材に含まれる粘り気の強い食材。うなぎの体の表面のぬるぬるした部分にムチンという成分が含まれています。たんぱく質分解酵素をもっているのでたんぱく質が効率よく消化吸収されるといわれています。だから、疲労回復に効果的なんですね。このヌルヌルとした部分で粘膜を保護して胃腸を整えます。目や気管、腸の表面を潤して正常な働きを促してくれるので風邪予防にはよく山芋やオクラ、里芋などこのムチンの含まれるものをいただきます。また抗ウイルス作用もあるんだそうですよ。わたしたちの体で大切な役割をしてくれる成分がうなぎはたくさん蓄えているんですね。
うなぎ に山椒をかけるのはどうして?
うなぎ のタレの味は白ご飯がすすむほどその香りも味も抜群ですね。また山椒をかけることで脂の多いうなぎ をさっぱりといただくこともできます。うなぎ にふりかける山椒は収穫した山椒の実(右写真)を湿気らないように陰干しして種をとって粉砕したものです。
さきほどのうなぎ の栄養について解説しましたが山椒にもビタミンB1・B2に加え、カロチンやカルシウム・マグネシウムなど、ビタミンやミネラルがたっぷり含まれていて食物繊維も豊富にふくまれているんですよ。だから胃腸の機能を高める機能があるんです。
室町時代はうなぎ の蒲焼きを山椒につけて食べていたという話しもあるほど、うなぎ と山椒の歴史はとても長いんですね。
漢方薬として、消化を助ける効果があるほかに、うなぎ の泥臭さを消すという効果もあります。特に天然うなぎ を食べていた昔の食べ方ではこういった食べ方はとても理にかなっていたようです。
SAITABI流. うまいうなぎ 屋の選びかた
いろんなウンチクを紹介しましたが、それではどんなお店を選んだらいいでしょう。好みはいろいろあるとおもいますが落語「鰻の幇間(たいこ)」のように媚びへつらって我慢はしたくないもの。とはいえ足を運ばないと良い店は見つからないものです。お店を探すのであればこんなポイントでお探しになるのはいかがでしょうか。
- 備長炭の香りが軒先に漂っている。
- 店の前が綺麗に保たれている。またはご自身とのセンスが合いそう。
- 「◯◯県産うなぎ 」など、うなぎ の産地を明記している。
- 合わせる酒にもこだわっていそう。
- 人が通う様子が見える。
- グルメ通な知り合いの信頼のおける情報。
- 店員の雰囲気が良い。または、気の置けない雰囲気がある。
- うなぎ の肝や様々な味わいを食べさせてくれる。
タレの好みや焼ぐあいなどはさすがに好みによるものなので、入ってみないとわかりませんよね。上のリストのどれか共感できるものがあればそんな指標で探してみるとよいでしょう。また、グルメサイトやグルメ雑誌に載っていないうなぎ 屋も挑戦してみたいものですが、たとえばグルメサイトに掲載されているお店で気になったのなら投稿者をチェックしてみるのも面白いでしょう。実際に行ってみて美味しかったら投稿者と味覚が合う可能性が高いです。だんだんと散策に慣れてきたら、もう情報要らずで挑戦してみるのも楽しみ方のひとつとなりそうです。それでは次におすすめの鰻屋をピックアップして紹介します。
1. 次々と旨すぎるつまみが出てくる..コスパ◎のうなぎ 屋『㐂久』(東京・浅草)
ああなんだか、写真が残念な感じでごめんなさい。浅草には名店が多いですがうなぎ といったら必ず紹介したくなるお店がここ『㐂久(きく)』です。「㐂」は「喜」の旧字体ですね。なんといってもここの店がすごいのが先付け(おつまみ)の多さ。うな重を頼むと鮮度が命な驚くような珍味を次々にだしてくれます。生しらすやうなぎ の肝焼き、レバーポン酢など散々いただいて、最後にメインディシュのようにうな重が運ばれてきます。日によって出してくれるものも違うので一度ハマるとまた行きたくなります。これは酒呑みにはたまりませんね。下はそんな先付けのほんの一部。うなぎ ももちろん、脂が乗っておいしいですよ。
- うな重 3000円
- かばやき 2500円
- 白焼き 2500円
- つくね焼き 350円(一本)
- 焼き鳥 400円(一本)
- 手羽先 600円(一本)
- 肝焼き 450円(一本)
- 一品モノ
- 板わさ 500円
- かにみそ 500円
- 季節のお刺身 700円〜
2. 成田山新勝寺でお参りをするなら立寄りたい!予約システム充実なうなぎ屋『川豊本店』(千葉・成田)
うなぎ で知れた成田山。駅を降りて参道へ向かうとそこは鰻の名店が軒を連ねる。正月時など人が混み合っていてなかなか前に進めない上に鰻を焼く匂いにたまらずやられてしまうんです。どこも老舗の名店が多いが、この川豊本店もまた佇まいからして情緒があります。店の入り口では職人たちが何匹ものうなぎ を捌いて見せるあたりなど、この店のこだわりが見えるようですね。昔ながらの名店でありながらこの店のすごいのが、混雑時は待ち状況をホームページで知らせていること。大行列をわざわざ待たなくても目安の時間まで買い物をしたりうまくいけば新勝寺でお参りなんてこともできるんです。これはいいサービスですね。
入り口ではレジで注文をして食券をもらいます。うな重にはきも吸いはセットでつきませんのでこちらは別途100円で購入します。正月に行きましたが店内は大混雑!テーブルは相席ですが、隣のお客さんもうなぎ をワクワクして待っている様子で嫌な気になりませんでした!
そしてお待ちかねのうな重。ふっくらとした食感で丁度よい味付けのタレ。受け継がれた川豊の味を楽しめます。お漬物は黄色いたくあんと小さく切った白菜がつきます。正月の込時に行くとどうしてもメニューがゆっくりと選べずうな重をめがけてしまうんですが「きも煮」や「鯉のあらい」なんていうのもあるみたいです。これはお酒に合いそうですね。西口のお店ではう巻きもあるようですよ!
おしながき
- うな重 2500円
- 上うな重 3100円
- 特上うな重 4100円
- 白焼き 2600円
- 蒲焼き 2300円
- きも吸い 100円
- 一品料理
- 鯉のあらい 860円
- ほね煎餅 430円
- きも煮 570円
- 鯉こく 700円
- おしんこ 430円
- ライス 220円
3. 明治8年創業の老舗。米・鰻・ともにこだわりのある旨さを『高嶋屋』で存分に味わう!(東京・小伝馬町)
東京の日本橋界隈で、江戸前のうなぎ を味わうならこのお店はいかがでしょうか。日比谷線なら「小伝馬町駅(3番出口徒歩5分)」「人形町駅(A5出口徒歩5分)」浅草線・半蔵門線では「三越前駅」(A4出口徒歩5分)、JR総武快速線「新日本橋駅(5番出口徒歩5分)」と実に4駅からのアクセスが良いんですね。
明治8年創業と老舗の『高嶋屋』。140年異常も歴史のある店内はテーブル席と畳席の落ち着いた雰囲気。日本橋が誇る老舗料理店の絵を模したすごろくが額縁に飾られているなど趣のある店内を見ながらワクワクお料理を待ちます。ここも人気の鰻屋でお昼時は満員でなかなか入れず3度めのチャレンジは雨の日でたまたま入れてラッキーでした。ここのうなぎ は「共水うなぎ」といって南アルプスから長い年月をかけて湧き出たきれいな水で育ったブランドうなぎ。地下125mの井戸から自噴している大井川の伏流水で南アルプスへ降った雪が50年かけて湧き出ているんだそうです。地表に流れて汚染される危険性が少ないため良質な水で育てることができるんですね。ストレスや健康状態を細かく観察しながら育てたうなぎで高嶋屋の自信の逸品です。またタレも140年変わらぬ味を守り続けたもの。鰻の美味しさを邪魔することなく包み込んだタレの味わいも見事です。養生ながら天然にも劣らない環境下で育てたうなぎ は、その身のほっくりとした旨さと水の旨さまでも感じて本当にここでしか味わえない旨さでした。
こだわりはこんなところにも。うなぎの付け合せに白菜などが付くことが多いですが蕪とウリの漬物が繊細なうなぎの味を引き立てます。これがお酒にもよくあうんですよね。
さすが東京の鰻屋は酒のリストにもいろいろ揃えていますね。数ある酒の中でちょっと名前の変わった伯楽星を注文。宮城県(新沢醸造店)の伯楽星はほのかに果実のような爽やかさのある甘みで華やかに香ります。雑味が無く主張よりも透明感がある味わいでこちらも食中酒にとてもいい位置づけのお酒でした。
お酒のお通しに鰯の南蛮漬け。酒の肴には鰯の南蛮漬けが。心地よい酸味と辛口の酒がよく合います。本当は鰻が来るまでに注文していたんですがとこういうお通しで待たせるなんてお酒がすすんで困りますね。(喜んでいますが。。)うなぎ だけでなく副菜も舌鼓を打つうまさでした。
おしながき
- 鰻重箱
竹 2,400円 梅 3,400円 菊 4,400円 - 鰻蒲焼
竹 2,200円 梅 3,200円 菊 4,200円 - 鰻白焼き
竹 2,300円 梅 3,300円 菊 4,300円 - 肝吸い 400円
赤だし 300円
- 定食(重箱・蒲焼・白焼)
特上鰻 菊重箱(共水うなぎ)、お椀、お新香、水菓子 5,100円 - 鰻づくし 9,270円
- 小舟 9,270円
- 八雲 11,330円
- う巻き 2~3人前 1,800円
- うざく 1,350円 ほか
4. 浜松駅から徒歩1分。鰻を愛する親子四代が繋いだ『うなぎ 藤田』(静岡・浜松)
JR浜松駅を降りて徒歩1分。南口のロータリーの右脇に「HOTEL SPRISO(ホテルソリッソ)というホテルがあります。うなぎ 藤田はそのホテルのエレベーター上って2階にあります。真っ白い暖簾に版画文字のような書体だけでも美味しそうですよね。ほかに浜松店という郊外店、それから東京の白金台にも店舗があります。明治25年四代続く浜松の老舗です。
現在四代目店主の曽祖父にあたるおじいさんが浜名湖で取れたうなぎ を長野の割烹料理店に行商していたのがはじまりなんだそうです。活きのいいうなぎの鮮度を保つために天竜川で汲んだ水を何度も何度もかけながら約三十五里の遠い道のりを運んでいたんだそうです。そのおじいさんのうしろ姿をみながら育った次の代の今朝吉おじいさんが近隣のお客さんにいつも活きの良いうなぎを味わってもらうために浜名湖にご自身の名前の頭文字をつけた養鰻場をつくられたんだそうです。そして秘伝のたれを作り上げた先代の父親。親子三代にわたるその意思が引き継がれた鰻屋にちょっとロマンを感じてしまうのはわたしだけでしょうか。
お店の外側、店舗入口のすぐ脇に調理場が見えます。調理場が見えるというのも安心ですよね。ここで、浜名湖養鰻場でとれた新鮮な活きのいいうなぎ を開いて素焼き。じっくり蒸したら、仕上げに備長炭で焼き上げます。
まずはビールでいっぱい、と、お通しで出されたうなぎ の骨せんべい。ほどよい塩加減がビールにとても似合います。サクッとした食感でおつまみ感覚でいただけます。
うなぎ を待つ間はまずはう巻きなどいただきましょう。身のホクホクとした鰻を包むのは出汁の含んだ旨味の卵。頬張ると旨味が口中に広がります。
うなぎ を待つ間にもうひとつ。いただいたお酒がこちら『出世城』若き武将徳川家康の本城浜松城にちなんで命名された清酒と書かれていますね。このお酒、増井美和さんという静岡でも初めて女性の杜氏さんがつくってらっしゃいます。高齢化する酒造業界で故・浅沼清輝氏の意思をついで2002年から杜氏の見習いとして専門知識を学んで2009年に杜氏として支えることになりました。亡き師匠の味を常に挑戦し、日本酒だけにとどまらず焼酎やすべての製造を取り仕切っている凄腕の杜氏です。
出世城は穏やかな旨味と丸みのあるやわらかな香りがつづきます。飲み飽きず食中酒としてとてもバランスのいいお酒です。
白焼きは鰻の味わいがよくわかる食べ方ですね。程よい脂身とうなぎの甘みを感じます。つけダレをいろいろ選べるようだったのですが、ひとつしか選べないので、本日はわさび醤油でいただきました。このままでも本当においしく味わえます。そして日本酒の合うこと..合うこと...
そして最後はうな重をいただきました。こちらはうな重(川)。鰻屋によっては松竹梅や並・上・特など呼び名がありますが、ここのお店では川・花・山・特山・二段などあります。きれいですね。備長炭でふっくらと焼いたうなぎ は表面をしっかりと焼いているのに中は程よい弾力で口の中でほどけます。旨味のタレもごはんがついついすすんでしまいますね。この旨味をうなぎを大切に思い受け継いできた親子四代が生み出したとわかると余計に美味しさがひきたちます。肝吸いがきちんとついてくるあたりなどもさすが浜松の鰻屋ですよね。美味しい!
おしながき
うな重 (肝吸い・お新香付き)※それぞれうなぎの量が異なります。
- うな重(川)2,800円(税抜き)
- うな重(花)3,300円(税抜き)
- うな重(山)3.800円(税抜き)
- うな重(特山)4,700円(税抜き)
- うな重(二段)5,450円(税抜き)
うなぎ茶漬け 3,550円
天ぷら・ご飯 1,700円
天重 1,700円
蒲焼 3,100円
白焼 3,100円
半白焼 1,650円
白焼きのつけダレはワサビ醤油・しょうが醤油・塩レモンの三種から選びます。
肝焼き 700円
きもわさ 700円
きもの天ぷら 700円
う作 950円
う巻 1,200円
5. うなぎの変わり種。お櫃うなぎ茶漬けで舌鼓『うなぎ 八百徳』(静岡・浜松)
こちらも浜松駅南口から徒歩1分。ロータリー向かい側に大きなビルに『うなぎ 八百徳』とかかれたビルが見つかります。こちらも駅南店ですね。本店は浜松駅北口側に。垂れ下がる暖簾がいい味を出しています。
店の脇には『お櫃うなぎ 茶漬』の文字。お櫃うなぎ 茶漬けがオシのようですね。これは期待で胸がふくらみます。
落ち着いた佇まいの店内は、下町の食堂さながらいい雰囲気です。お客さんが多くいらっしゃったので店内の写真は控えますが壁にはうなぎ うまかったのサインと仕掛けの籠が。素敵ですね。
それでは早速『お櫃うなぎ 茶漬け』を注文。基本的には焼き方やタレの味付けは蒲焼きと同じでまずはお櫃から茶碗に取ってうな重の味わいをそのままいただきます。少し濃い目の味付けのタレですね。肝吸いとともに味わいながら、二杯目は茶漬けにして薬味を載せていただきます。
出汁のうまみを感じながらあまりじゃぶじゃぶとかけすぎず鰻をすこし頭がでる程度に注ぐのがポイントです。ここにネギを乗せるといい塩梅です。うな重としてもうまいですが、個人的にはこの茶漬になるための味わいだったような気がします。ワサビをいれたり途中漬物をいただいたりと工夫していろんな味わいを楽しめるのがたのしいですね。これはまた味わいたい旨さです!
おしながき
- お櫃鰻茶漬 3,050円
- 上うな重 3,200円
- うな重 2,950円
- うな丼 2,950円
- 鰻定食(松)4,500円
- 鰻定食(竹)4,000円
- うなぎ棚盛り(二段重) 5,100円
- お刺身定食 2,200円
- うなぎ蒲焼 2,200円
- うなぎ白焼 2,200円
- うなぎ肝焼 620円
- お刺身盛り合わせ(一人前)2,200円 ほか
6. 自宅で手軽にお取り寄せ
川口水産 国産うなぎ3種組み合わせセット かば焼き 合計約300g たれ・山椒付き グルメ ギフト
¥4,990
日本一うまいと自負している通り、実際食べた評価もかなり高いうなぎ。鹿児島、宮崎、徳島、高知、三重、愛知の国産で養殖したうなぎを強火の遠火で丁寧に焼きあげました。かわすい特製ダレはたれだけで購入する方もいるほど。泥臭さを感じずおいしくいただけます。湯煎で温めるだけで自宅で豪華なうな丼を楽しめるとあってその手軽さも人気です。脂乗りもよく肉厚たっぷり。特大サイズは、楽天市場うなぎ部門で7年連続グルメ大賞受賞, 2015年7,8月号 大人の週末のお中元特集コーナーでグランプリ獲得しているお墨付きです。父の日や敬老の日などのプレゼントにもぜひ!
¥5,980
「期待を裏切らないうまさ」として評判の高い『うなぎ のたなか』。創業70年浜松は老舗のうなぎ 屋の味わいを自宅で手軽に袋のまま湯煎で味わえます。セット内容は蒲焼き(カット)85g~95g3枚に加えてたれ、山椒、お吸い物もついてきます。うなぎ は箸を入れると川まですっと切れ驚くほどやわらかい仕上がり。関東風の蒲焼きです。土用の丑の日だけでなくお歳暮・お年賀のギフトにも重宝されています。食べ盛りの若い方には少し少ないかもしれませんが、量を多く食べない大人の方には丁度よい大きさです。
まとめ
いかがでしたか?うなぎ とひとついっても奥が深く店によっても食べ方や味わいはさまざまです。古来から親しまれているそのうまさを堪能したいものですね。また今回は活用できなかったのですが、うなぎ をこよなく愛して食べ歩いた見田盛夫さんの記した『東京 五つ星の鰻と天麩羅』という書籍もあって、こちらもおすすめです。この本は東京の鰻屋と天麩羅屋を紹介していますが、なによりも見田さんの感想がいい。ひどい批評などをするわけではないし、その店のうまさを具体的に店を想像できるようなコメント500文字以内にまとめていて読み物としても心をくすぐります。「きめ細やかな接客を心がけたいという女将の思いから18席のみ(小満津)」や、「8割が常連客なのも主人の技と人柄に惹かれてのことだろう(川勢)」などよくお店の人とも会話をして書き記したんだなというのがわかりますよ。本やいろんなかたのお話を聞いたり旅をしながらぜひあなた好みのお店を探してみてくださいね。
茨城県出身の40代。20年住んだ東京を離れ2歳の子どもと広島に移住。好きなものは文具とちょっと古い鉄が使われた道具。酒と落語とグアテマラのコーヒーが楽しみ。競馬や釣りにもチャレンジ!前職は靴製造・修理業だったので、履きやすい靴も紹介します。
子育て真っ最中のため、小さな子どもと楽しめる旅を紹介します。