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旅の夜をちょっと贅沢に。冬の夜も美しい日本の稀少で美しい線香花火

気温と湿度の少ない冬にできる花火があるのをご存じですか?季節を問わず旅に持っていきたい花火を紹介します。

花火といえば夏。中でも日本の夏には欠かせないあの手持ち花火、線香花火は夏の終わりを飾る代名詞のように思う人も少なくないのでは。気温と湿度が低いこの冬の時期に生まれる花火があります。火種が生まれてからのその起承転結を飾る物語に暫し時を忘れてしまいそうな花火。美しい花火で特別な旅の思い出づくりはいかがでしょう。線香花火のはじまりと種類を紹介します。また時代を経て国内では三社までに減ってしまった花火製造所、その中からここ数年独自のブランドと表現力で変わらぬ注目を集めている筒井時正製造所の花火を紹介します。

線香花火のはじまり

線香花火は日本の伝統的な花火のひとつですが、こよりの先に火薬をひねり込んだ、小さい花火をいいます。江戸時代には線香のようにも香炉に線香をたてて遊んだことからこの名前が付けられるようになりました。大きな火薬を使わずに手元でパチパチと花びらを散らしたような姿を初めて見たひとはきっとびっくりしてよろこんだでしょうね。現代まで変わらずにその驚きと喜びは連鎖して続いているのですから花火の魅惑は神秘です。

 

線香花火の種類は

線香花火の種類は2種類。竹ひごやワラの先に火薬がマッチのようにむき出しについている「スボ手花火」、それから楮紙(こうぞ)のこよりの先に火薬を包んだ形の「長手」花火があります。スボ手花火はもともと稲作がさかんだった上方、つまり関西で作られたために関西で広まっていました。楮紙でつつんだ長手花火た流行ったのはその後。
江戸はワラが手に入りにくかったためにこのようなスタイルで知られるようになったんだそうです。
遊び方も、長手花火は地面から垂直に垂らすように持って風が吹かないように吹かないようにと持って向けて花を楽しみます。

スポ手花火は地面と垂直よりも少し斜めに傾けて持って楽しみます。

 

国産の線香花火の特徴とは

時代を経て花火はほとんど中国産の製品が作られるようになり、日本の花火製造所も一時期は一社にまで減ってしまいました。しかし、花火師たちの意地と拘りで、日本特有の美しく持ちの良い花火が保たれ、現在は三社ほどに増えました。日本の花火は比較的高額だと言われますが、一度火をつけてみるといままで日本の花火職人が拘り抜いてきたものがおわかりいただけるはずです。
第一に、火のもちが良く 花火が作る物語にブレが無くどの花火を手にとっても同じ種類のものはほぼ同じ形に花を咲かせるのが特徴です。それは職人の手指の感覚が覚える巻きの強さ、火薬の量、火薬の質が左右しているんです。国産の花火はどこまで奥が深いんでしょう!

 

筒井時正玩具花火製造所の花火とは

福岡県みやま市に子供向け玩具花火の製造を90年続けている製造所があります。そこが「筒井時正花火製造所」です。国内唯一の線香花火製造所であった製造所(福岡県八女市)が1999年に廃業し消えてしまうところだったのを3代目筒井良太さんが廃業前にその製造所で修行しすべてを引き継いだのがこの筒井時正花火製造所。いまもなお伝統と花火の光を守り続けています。

 

点火とともに命が宿ったかのようにどんどん大きくなっていく蕾         やがてパチッパチッと力強い火花が散りだす牡丹
徐々に火花の感覚を短くさせたかと思えば松葉のように細かなアーチを描き         さらに繊細な火花を一本、、一本と落ちていく散り菊。

線香花火の段階はこの4段階と名前がついています。筒井時正玩具花火製造所さんはこの一つの線香花火に誰もが手にして火を灯したときに同じ花を咲かせるようにひとつひとつ大切に手作りで丁寧に作っています。「守りながら磨く」を大切に。古くからの伝統を守りつつ、新しい試みの花火も生みつづけています。

 

花火づくりのこだわりの縒り(より)

 

こよりの先に火薬をひねり込む技が縒り。

火薬はほんの0.08グラム。100分に1グラムの増減で燃え方の違う火薬を盛り線香花火の首に縒って(よって)巻きつけていきます。指先に全神経を集中させて強弱を付けながら手練れで巻きます。手練れが生み出す線香花火だからこそ最後まで美しい物語を魅せる花火が生まれるのだそう。

これこそ長年の経験が成せる技術ですね。


稀少な国産。そして地元の素材を最大限に活かす。

宮崎県産の松の根っこを30年以上寝かせ油分の含んだ松煙を使い淡くてやさしい色合いの染料、えんじゅ、くちなし、蘇芳(すおう)で色付け。福岡県産のこの花火は地元福岡県の八女産の手すき和紙で生まれます。すべてが拘りの作品です。

価格競争に負けて中国産が主流となってしまった日本の花火ですが国産の花火はどこの国にも誇るその質・美ともに世界を誇る希少価値の高い美しい伝統を守りつつ、新しい知恵やデザイン性も取り入れて技術を守り続けています。

日本を背負う花火師たち「筒井時正玩具」の作る美しい線香花火を紹介します。

国産線香花火 東の線香花火 長手牡丹
¥ 800
火玉が大きく火花が四段階に変化するのが特徴です。
昔なつかしい線香花火です。線香花火はかつて関西ではワラで蒔いていたそうなんですね。関西から伝わる際、関東地方では米作りが少なく紙すきが盛んだったため、ワラの代用品として紙で火薬を包んで作られたのだそうです。そのため、この長手牡丹は関東地方を中心に親しまれています。この紙のひらひらとした姿は長く親しまれた形と思っていましたが、関東特有の形だったのですね。

国産花火 冬の、できたて線香花火 筒井時正玩具花火製造所 日本製
¥ 324
夏のイメージが強い線香花火ですが、線香花火「スボ手牡丹」は冬の間しか製造できません。気温・湿度が低いことが製造条件のため、冬の寒い天候を利用して製造されているのだそう。空気の澄んだ夜にこの線香花火を語らいながら火を灯すのも素敵ですね。

国産 線香花火 筒井時正 花 はな 筒井時正玩具花火製造所
¥ 5,400
筒井時正玩具花火製造所線香花火の持ち手部分を花びらのように仕上げ、「花」の形をした花火と一年を通して楽しんでほしいという春夏秋冬をイメージした色で染めた花火「蕾」を一緒にパッケージしました。桃色・水色・橙色・白色のかわいらしい色がどんな花火が生まれるのかワクワクさせます。保存するのに最適な桐箱に入っていますので、一年を通してゆっくりと楽しめる花火。持ち運びにもいいですね。なんだか特別な夜になりそうです!

純国産 手作り 線香花火 筒井時正 花々/はなはな
¥ 10,800
線香花火の持ち手部分を花びらのように仕上げ、それを束ねることで「花」を表現しました。保存するのに最適な桐箱に入っています。ハゼの実から抽出されたロウでできた和蝋燭と、九州の山桜でつくったロウソク立てが付属しています。素敵な便箋に手紙を書いて一緒に大切な方のお誕生日プレゼントに送るのもいいですね。

筒井時正玩具花火製作所では、線香花火の製作工程を体験するワークショップなどを行っています。ギャラリーもとてもキレイですのでぜひお近くにお越しの際は立ち寄ってみては!

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