日本ではありえない?!デンマークの小学生の驚きのスクールライフをご紹介!

日本ではありえない?!デンマークの小学生の驚きのスクールライフをご紹介!

童話作家アンデルセンの故郷で、福祉国家としても知られるデンマーク。

今日は、現地在住の筆者が、日本とは随分と違った現地の子供たちのスクールライフについて、ご紹介したいと思います。

先生は呼び捨て?!

デンマークは、最も高い山でも200m足らずの平たい地形の国なのですが、その地形と同様に、対人関係において上下関係がほとんどない「平たい」国でもあります。

まず、人を呼ぶときに「~さん」といった敬称をつけることがなく、相手がたとえ先生であろうと、お医者さんであろうと、上司であろうと、基本的にみんなファーストネームを呼び捨てにします。
ですから、子供が学校であったことを話していても、先生について話しているのか、クラスメートについて話しているのか、わからないといった笑い話のようなことも日常茶飯事です。
呼び捨てが当たり前なので、呼び捨てされた側も嫌な気持ちになったりということもありません。

ちなみにデンマーク語にはいわゆる「敬語」も存在しません。

入れ墨の先生もごく普通?!

デンマークでは、入れ墨(タトゥー)が人気で、若者は勿論、中高年世代の人でも入れ墨をしている人は珍しくありません。

さすがに担任を持つような教師では、私の知る限り入れ墨を入れている人は見たことはありませんが、(知らないだけかもしれませんが)ペタゴーと呼ばれる学童保育の先生たちの中には、ちらほらタトゥーを入れている(普通に目につくようなところに入れている)人もいて、子供たちも目にしているはずですが、彼らにとってはごく普通なことだからか、誰も特に気に留めていない様子なのです。

勿論、タトゥーを入れていることで処分が下されるなんてこともなく、全くおとがめなし。というより、誰も気にしていません。
先生たちの服装も日本でもクールビズなどの影響もあって、昔と比べるとカジュアルになりつつあるようですが、それに輪をかけて自由なのがデンマークの先生たち。
腰からずり落ちたジーンズから下着がのぞいているような先生も決して珍しくありません。
ちなみに我が家の子供たちが通う学校の校長先生は比較的若いこともあってか、(30代半ばくらい)毎日ジーンズです。

校則はないに等しい?!

そんな自由すぎるデンマークですが、校則らしい校則も見当たらず、基本的に服装も自由(制服がないので、私服です)、髪型も髪色も自由で、ピンクやグリーンに染め上げている子もいたりします。

また、デンマークの女の子は、幼い頃にピアスを空けることが珍しくなく、学校にもピアスや、ヘアアクセサリーを色や形に制限なく、自由に好きなものをつけていきます。
デンマークでは、学校は勿論職場などでも、やるべきことさえ、きちんとしていればOKという感じで、その他のことに関して、あれこれ口出しされることはありません。
ですから?、デンマークではいわゆる「不良」になるのは大変です。みんなごく普通の子たちが思い思いの恰好をしているため、なかなか目立つことができないからです。(笑)
ちなみに、デンマークのバスや電車では、お年寄りが来たら誰もがほぼ100%、席を譲ります。

たとえ、タトゥーにピアスだらけの青年であろうと、ごく普通に席を譲ります。そして、そのままお年寄りと世間話に興じたりすることも珍しくありません。
モラルを身に着けて、やるべきことができればそれでいい、という考えが根付いているのでしょうが、筆者ははじめてその光景を目にしたときは、驚きと同時に、「なんだかいいなあ」と日本人として、こういうことが当たり前にできるデンマーク社会を羨ましく思ったりもしたものです。

小学生からディスコ?!

デンマークの小学校では、各クラスに保護者代表が何人かいて、時々校外で催されるイベントを企画したりします。
そして、小学校中学年にもなれば、夕方から夜9時や10時まで開かれるディスコ・パーティーなどもあるのですが、みんなおしゃれして着飾って臨みます。
会場は、父兄の誰かが住むマンションのパーティールームなどを貸し切って行われますが、爆音のダンスミュージックが響く中、小さな子供たちが思い思いに踊る姿は、日本人的になんとも不思議なものがあります。
ちなみに、親は親で、子供抜きで(祖父母などに子供を預けて)、父兄の誰かの自宅に集まって深夜までディナーやお酒を飲んで楽しんだりします。

同性愛者はごく普通?!

同性間の婚姻が認められ、異性間の婚姻同様の権利が認められているデンマークでは、同性愛者は一般社会にごく普通に受け入れられています。
例えば、先生たちも子供たちに自分が同性愛者であることは、オープンにしていますし、以前我が家の子供の女性教師(同性愛者)がパートナーの女性と結婚した時は、クラスで子供たちとお祝いしたり、父兄がお金を出し合ってギフトを送ったりしたこともあります。

ちなみに、その時は担任の先生がレズビアンで、副担任の先生がゲイという組み合わせでしたが、このように子供たちが小さな頃から同性愛者と接し、周りの大人たちも彼らを特別視しない環境の中で、同性愛に対する差別のない社会が出来上がっていく過程が垣間見れたような気がします。

おやつの時間もあり?!デンマークのスクールランチ事情とは?!

デンマークでは、朝8時には始業と早いためか、10時ごろの休憩時間には、それぞれ持参したおやつを食べていいことになっています。おやつと言っても、チョコやスナックなどではなく、フルーツや野菜スティック、シリアルバーなどが主流です。
そして、学校によって違いがあったりもしますが、我が家の子供が通う学校では、ランチは、お弁当持参するか、校内のカフェテリアで2、3種類ほどあるランチメニューから選んで買うこともできます。学校のすぐ近くにスーパーがあるので、そこでサンドイッチなどを買っていくのでもOKで、要するになんでもありです。
カフェテリアでは現金で購入するほかに、市で支給されたカードに、お金をチャージして支払うこともできます。
その後、午後3時ごろには、学童保育で、フルーツや軽食(パンやクネッケと呼ばれる固いライ麦のクラッカーのようなもの)が支給されます。
ちなみに、子供の誕生日には、誕生日の子自身がクラス全員&担任の先生にお菓子やケーキを持参して振る舞う習慣があります。

低学年のうちは、宿題はなし?!

デンマークの小学校では、基本的に低学年のうちは、宿題はほとんど出されません。

また、夏休みなどの長期休暇の間は、低学年に限らず、全学年、宿題が出されることはなく、休みはきちんと休むというスタンスです。
高学年になるにつれ、少しずつ宿題が出されるようになりますが、日本のように問題に解答するよりも、プロジェクトとして、個人やグループで調べた内容をパワーポイントなどにまとめて、クラスでプレゼンするような宿題の方が多い印象です。

デンマークの会社では、プレゼン力や、グループワークが非常に重視されますが、こういったコミュニケーション能力を培っていく教育スタイルであることがうかがえます。

さいごに

いかがでしたか?
日本では考えられないような自由さですが、不思議と荒れているわけでもなく、きちんと統制がとれているのは、日本人としては驚きですが、それと同時に、日本の学校の校則の存在意義を考えさせられたりもします。

やることさえやっていれば、何も言われず、外見で判断されることもない。その信頼感があるからこそ、大きく道を踏み外す子供が少ないのかもしれません。
日本で校則がらみのニュースを聞くと、デンマークの学校のことが頭に浮かび、そんなに規則でがんじがらめにしなくても、きちんと機能することはできるんだけどなぁと、もどかしい気持ちになったりもします。
今後ますます国際化が進んでいく中で、日本の教育のあり方も変化を遂げる時期に来ているのかもしれませんね。

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