全国各地に先駆けて、沖縄では5月16日に梅雨入りが発表されました。これは平年より7日遅いとのこと。もちろん梅雨明けも早く、平年6月後半には梅雨明け宣言が出されます。つまり6月末からは沖縄旅行のハイシーズンというわけです。旅のプランを練る前に、スクリーンのなかで沖縄に触れてみませんか。 オススメの映画は『小さな恋のうた』 モンパチことMONGOL800の大ヒット曲からインスパイアされた、青春バンドムービーです! 1998年に結成されたMONGOL800は沖縄を代表するロックバンド…
全国各地に先駆けて、沖縄では5月16日に梅雨入りが発表されました。これは平年より7日遅いとのこと。もちろん梅雨明けも早く、平年6月後半には梅雨明け宣言が出されます。つまり6月末からは沖縄旅行のハイシーズンというわけです。旅のプランを練る前に、スクリーンのなかで沖縄に触れてみませんか。
モンパチことMONGOL800の大ヒット曲からインスパイアされた、青春バンドムービーです!
1998年に結成されたMONGOL800は沖縄を代表するロックバンド。2001年にリリースされたインディーズ2枚目のアルバム『MESSAGE』がオリコン1位を獲得して一躍人気バンドになりました。このアルバムに収録されている”小さな恋のうた”は多くのアーティストにカバーされ、CMソングとしても繰り返し使われています。カラオケで歌ったことがある方も多いのではないでしょうか。
”小さな恋のうた”にはこれまでも多くの映像化オファーが届いていましたが、メディアと距離を置くスタンスをとるメンバーはオファーを断り続けていました。しかし、同じ沖縄出身の山城竹識氏が練り上げた、ありきたりの青春映画、恋愛映画ではない本作の企画を受け、初の映像化を快諾したのです。
フェンスに隔てられた2つの国が1つの土地に存在する場所、沖縄。ヴォーカルの亮多、ギターの慎司、ドラムの航太郎、ベースの大輝が組む高校生バンドは熱い人気を集めていた。バンドのソングメーカーを務める慎司の自宅は、米軍基地の目の前。慎司は基地内に住むアメリカ人女子高生リサにフェンス越しで自作の曲を聴かせ、ささやかな交流を育んでいた。フェンス越しにひとつのイヤフォンで慎司の曲を共有する二人を見て、亮多は「もう国境超えてんじゃん!」と笑う。
そんなある日、行きつけのライブハウスのオーナー根間のはからいもあってプロデビューが決定。「待ってろ東京!」と意気込むバンドメンバーには、明るい未来が待ち受けているように見えた。しかしその夜、交差点で突っ込んできた車がすべてを暗転させる。
大輝は他のバンドに誘われて脱退。マイクを握る気力をなくした亮多と途方にくれる航太郎の前に、慎司の妹・舞がデモ音源を手に現れる。止まっていたビートが、再び刻みはじめる―。
「沖縄」を考えるとき、本土に住む私たちは「最高のビーチリゾートと豊かな文化」と「戦争と基地に多くを奪われた島」という両極端の2つのイメージを思い浮かべます。そのどちらに着地していいのか、迷うこともしばしばです。
しかし、実際の沖縄には、「ビーチ」と「基地」という両極端、そしてその中間にある全てがあります。これが渾然一体となったのが、本来の「チャンプルー文化」なのでしょうか。
※「チャンプルー」とは沖縄の言葉で「いろんなものを混ぜたもの」のこと。ゴーヤチャンプルー、フーチャンプルーなど料理の名前として知られている
那覇の国際通りや美ら海水族館、各地のビーチを堪能したら、ぜひ一度レンタカーを借りて沖縄をドライブしてみてください。カーナビのマップを見てみると、本島のど真ん中にある米軍基地のために島の行き来が大きく制限されていることがわかります。基地の存在は、決して無視することはできないものです。
しかし、フェンスの向こうの「アメリカ」にも、映画で描かれたリサや彼女の家族のように多くの人々が住んでいます。亮多の母親は米兵相手のバーを経営。慎司と舞の父親は基地内で働いているように、基地もまた沖縄の一部なのです。
映画『小さな恋のうた』は、オール沖縄ロケで撮影されました。フィルムには、ごく普通の町並みの上を米軍機やヘリが轟音を響かせて飛ぶ、沖縄の日常が映し出されています。リサの父親は、米空軍でオスプレイを操縦するパイロット。「フェンスの向こう」に住むリサの葛藤も、映画ではしっかりと描かれています。
若者たちのまっすぐな思いと、音楽の力が呼び覚ます情熱が眩しく弾ける映画「小さな恋のうた」は、5月24日から全国でロードショー。慎司役の眞栄田郷敦は俳優初挑戦。兄は新田真剣佑、父は千葉真一という俳優一家からまたも新星登場です。こちらも要注目!
<CAST>
真栄城亮多(佐野勇斗)
池原航太郎(森永悠希)
譜久村舞(山田杏奈)
譜久村慎司(眞栄田郷敦)
リサ・クラーソン(トミコクレア)
根間敏弘(世良公則)
©2019 「小さな恋のうた」製作委員会
福岡県在住、40代のライター。海が見える自宅のキッチンに立つ時間を大切にしながら、日夜原稿に取り組んでいます。エンタメなどソフトなジャンルから政治・経済など堅いネタまで幅広く扱うオールラウンダー。