路面電車に揺られて歴史都市高岡を散策

路面電車に揺られて歴史都市高岡を散策

富山県第2の街それが、高岡市。

加賀藩2代藩主前田利長が開町し、400年以上もの歴史を誇る歴史都市です。

 

そんな高岡市とお隣の射水市を結ぶ路面電車があります。

その名も「万葉線」。

レトロな車両から、最新型のトラムまで、中には高岡市出身の偉大な漫画家、藤子F不二雄先生の代表作ドラえもんが描かれた「ドラえもんトラム」も走っています。

 

今回はこの路面電車万葉線の駅周辺の観光スポットをちょっとだけご紹介したいと思います。

高岡駅の構内にある万葉線乗り場から雨の日でも濡れることなくすぐに乗車できます。

土曜、日曜日にはトラムの車内アナウンスが射水市出身の落語家、立川志の輔師匠の声で行われるといったちょっとユニークなアナウンスも聞けます。

 

電車に乗るとすぐに道路上を走りだします。

すぐ真横に車が走っている光景は普通の電車では味わえないちょっと特別な光景です。

 

 

ドラえもんトラムはわざわざこの電車に乗るためだけに訪れる人も多いほど人気の電車です。

 

車内にはドラえもんの世界観がふんだんに盛り込まれており、子どもから大人まで笑顔になることができる電車です。

どの電車に当たるか、わくわくしながら待つのも万葉線の醍醐味ともいえます

 

 

電車に乗って3駅目で「坂下町駅」に到着します。

ここで降りていただくと高岡の良いところをぐっとまとめて見ることができます。

 

坂下町駅を降りて文字通り坂を5分ほど上がっていったところに高岡を代表する観光スポット、「高岡大仏」が堂々と鎮座されています。

この高岡大仏は、約7.4m、大円光背を含む全体の高さは約15mにもなります。

奈良、鎌倉に次ぐ日本三大仏の一つに数えられています。

 

 

奈良、鎌倉の大仏様は有料ですが、こちらの高岡大仏はなんと無料でいつでも見ることができます。

高岡が誇る高岡銅器の技術を存分に生かした銅の大仏様は迫力満点です。

 

昔は木で作られた木造の大仏様でしたが、2度の大火によって焼失してしまい、2度とたかおかのシンボルともいえる大仏様を失わないようにという願いを込めて1933年に現代の銅の大仏様が作られました。

 

 

この高岡大仏、大きいだけではなく、実はそのお顔が注目ポイント。

日本一イケメンの大仏様として有名なのです。

大仏様のお顔を見ればきっとそのイケメン具合にうっとりしてしまう、かも。

 

 

こちらの大仏様は藤子不二雄A先生の自伝的まんが、「まんが道」にもたびたび描かれていることからまんが道ファンには聖地として必見のスポットになっています。

大仏様の真下は回廊になっており、中には昔火事で焼けてしまった当時の大仏様のお顔が原寸大で登場されます。

こちらは至近距離でお顔を見ることができるのでさらにときめき度が上がりますよ。

 

 

傍らには高岡で作られた、おりんがあり、十二支ごとに違う音色が鳴ります。自分の生まれ年の音がどんな音で鳴るのか、みんなで比較したりするのも楽しいです。

お守りも高岡大仏をモチーフとした高岡のゆるキャラ、「あみたん」のデザインのお守りもあり、お土産として人気です。

 

 

夜になると、17時~22時に大仏様がライトアップもされるのでお昼とはまた違う風景を見せてくれるので、1日を通して風景を楽しむことができます。

 

今度は大仏様を背にして歩いていくと情緒ある街並みが、その顔をのぞかせます。

高岡の中心として今もにぎわいを見せている「山町筋」に足を踏み入れてみましょう。

 

山町筋は毎年5月1日に行われるお祭り、「御車山祭り」の山車を持つ町を山町と呼び、全部で10の町が山町とされています。

この御車山祭りはもともと豊臣秀吉が前田利家に送った山車を利家が町民に分け与えたのが始まりとされており、ユネスコの無形文化遺産にも認定されています。

4月30日に宵山が行われ7基の山車が幻想的にライトアップされます。そして5月1日の本祭には7基の山車が街中を巡行して、祭りをさらに盛り上げます。

そんな御車山祭りの中心となるのがここ山町なのです。

 

 

高岡市は先の大戦中にほとんど空爆をうけなかったことから、古い建物がそのまま残っており、明治、大正、昭和初期といった風情のあるレトロな建物がいまだに多く残っています。

明治時代に起こった大火の教訓を生かし、火に強い土蔵造りが多く、火事になっても燃え広がらないような工夫がしてあり、多くの土蔵が建ち並んでいます。

全国的に見ても土蔵造りの町並みは極めて珍しいので必見ですよ。

 

 

山町の中心街に歩いていくと土蔵を改装して店舗にしている「山町ヴァレー」にたどり着きます。

ここでは富山県の郷土料理である昆布でお刺身などを〆て食べる昆布〆を食べられるお店や、高岡のほうれん草をスープや麺に混ぜ込んだ高岡グリーンラーメンなどのグルメも楽しめるほか、雑貨やペレットストーブの展示など、地元のいいところが建ち並びます。

 

イベント時には山町をめぐる人力車も運行しており、古い街並みをいつもよりも少し高い目線で楽しむことができます。

 

 

周辺には国の重要文化財である「菅野家」もあり、黒漆喰の外観は思わず立ち止まって見入ってしまいます。荘厳な邸宅を間近で楽しむこともできます。

 

 

山町の街中の家の屋根には、シャチホコが飾られているところが多く、これも大火の教訓として、火から守ってくれる水の象徴を屋根に飾ることで、火を遠ざけるという意味があります。

どんなシャチホコがあるか、少し上を見ながら歩いてみるのもいいです。勿論車には気を付けてくださいね。

 

 

山町筋を訪れた際には和菓子屋さんの大野屋に立ち寄っていただきたいです。

ここで売られているラムネがおすすめです。ラムネとは思えないほどに精巧に作られたお菓子は、芸術の域に達しているといっても過言ではありません。

 

 

ここにもモノづくりの町、高岡の技術を感じることができます。

食べるのがもったいなくなる高貴なその見た目をぜひご自身の目でご体感ください。

 

 

坂下町から高岡大仏を見て左側に歩いていくと、今度は高岡市民の憩いの場、「古城公園」が見えてきます。

 

こちらの公園は高岡城の跡地に作られた公園で、敷地も広く、様々な施設もあります。

こちらも「まんが道」において、主人公の二人がまんがのアイデアを出し合ったり、手塚治虫の漫画を初めて目にするシーンなどでファンの間でも根強い人気を誇っています。

 

 

公園内で特に目を引くのが動物園です。

こちらの動物園はなんと無料で楽しめる動物園で、ウサギなどの小動物や、様々な動物のほか、ペンギンやフラミンゴ、孔雀など鳥類のラインナップが充実しています。

園内に職員さんの手書きの看板や動物の紹介が書かれているのですが、こちらがとてもユニークで、この手書きのポスターを見て回るだけでもクスッと笑ってしまいそうになります。

 

 

 

古城公園は、春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と一年を通して素晴らしい景色を私たちに見せてくれます。

 

秋には高岡市に奈良時代に国司として高岡にて多くの和歌を詠んだ大伴家持にゆかりの深い万葉集全巻を3日間にかけて昼夜通して読み続ける万葉集二十巻朗唱の会というイベントもあり、多くの参加者が万葉衣装に身を包み、4516首もの和歌を読み続けます。

 

飛び入りでの参加もできるので、池の上に作られた水上特設ステージで当時の貴族になったつもりで和歌を詠むといった体験をするのもおすすめです。

 

 

万葉線の沿線にはこのほかにも多くの観光スポットがありますが、今回はその中でも高岡市の中心部にスポットを当ててご紹介させていただきました。

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