仕事道具は手持ちバッグにする
海外出張において仕事ができなくなることがもっとも意味のない渡航となります。海外では、国内旅行のように預け入れた荷物が確実に届くという補償ができにくいことがあります。預け入れた荷物がに仕事道具を入れておくと、万が一荷物の到着が遅れた場合、仕事にならない可能性もあります。渡航後すぐに必要となる仕事道具については、機内に持ち込める手荷物品の中に入れるようにしましょう。
- 万が一に備えて海外旅行保険「航空機寄託手荷物遅延に対する補償」について
海外旅行保険の補償に付帯されている特約に「航空機寄託手荷物遅延」についても補償があります。これは、航空会社に預けていた荷物の到着が遅延したために、現地において購入やレンタルをせざるをえなくなった衣類や生活必需品の購入費用を補償するというものです。万が一、このように預けた荷物が遅れてくることがあっても、ただ待つより仕方なく、どうにもすることができません。せめて仕事ですぐに必要で重要なものは、肌身離さず持ち歩くことをおすすめします。
ちなみに、航空機の到着が遅れたために乗継機に乗れなかった、または天候不良などによる着陸地変更、欠航、航空会社の予約業務の不備により搭乗できなくて、予定外の宿泊が必要になった場合には、海外旅行保険の「航空機遅延」の補償を受けることができます。
宿泊先の予約について
海外出張先の宿泊手続きについては、会社で行ってくれる場合もあります。それは、出張者の手間を省き仕事に集中してもらうためでもありますが、経費管理の上でも会社にとっては有益です。国内外を問わず、宿泊先となるホテル等の宿泊費用は、利用する施設によって大きな差が生じます。宿泊先を出張者に任せてしまうと経費が割高になってしまう可能性もあることから、会社で宿泊先を指定する(予約する)、または宿泊費に上限を設定するなどを行っています。特に短期の海外出張に多く、バイヤーのように現地で飛び回るような仕事の場合には、出張者のモラルに任せるしかないのです。
時差ボケの予防方法
海外へ行く人の悩みのひとつに「時差ボケ症状」があります。せっかく海外へ行っても、しばらくの間「時差ボケの症状」に悩まされてしまうと、仕事で成果を上げられないかもしれません。そうなっては元も子もないことに。ここでは、時差ボケの予防方法を教えます。
<時差ボケの症状とは?>
時差ボケの代表的な症状は、睡眠障害や、日中の眠気、疲労感、頭痛などがあります。時差ボケは、時差が5時間以上ある地域へ急速に移動すると起こりやすくなる症状です。統計的には、西へ向って移動するよりも、東へ向かって移動する方が症状が出やすいようです。
<時差ボケを事前に予防する>
時差ボケを体験したことのある人ほど渡航前に気を付けていることがあります。それは①滞在期間が2・3日と短期間な場合と②滞在期間が比較的長い場合によって方法が異なります。
- 滞在期間が2・3日と短期間な場合
現地時間に無理に合わせようとせず日本時間の夜に睡眠を十分にとるようにすること
- 滞在期間が比較的長い場合
渡航前には十分な睡眠をとるようにします。東側へ行く場合には、数日前から少しずつ早めに就寝するように慣らし、早く起床するようにします。反対に西側へ行く場合には、だんだんと就寝時間を遅らせて起床時間を遅くします。
到着後は現地の時間に合わせるようにします。また、人の体には「太陽光」によって体内時計を調整する働きがあります。到着後はなるべく外に出て、現地の時間に早く同調するように心がけましょう。
時差ボケの症状がひどい場合には、睡眠薬も有効です。ただし、睡眠薬の使用については先に医師に相談しましょう。また、眠れないからといってアルコールを過度に摂取することは避けてください。睡眠薬との併用はもってのほかです。
打ち合わせのスケジュールの組み方
仕事の火急さにもよりますが、渡航は予定通りのタイムスケジュールで進行するとも限りませんし、できれば到着した当日に大事な打ち合わせ等の予約を入れることはやめましょう。まずは、宿泊先に到着することを最初のミッションと考え、宿泊先で翌日の打ち合わせのための準備を入念に行うぐらいの余裕がほしいものです。1日(もしくは数時間でも)余裕があれば、万が一航空機が遅延する、手荷物が遅延するようなことがあっても対応できるはずです。
出張先のマナーを調べる
海外出張先のビジネスマナーや国のしきたりなどは、海外で仕事をするにあたって重要なポイントになります。海外出張先が決まったら、入念に調べておくことがビジネス的に成功するカギとなります。
たとえば、欧米ではビジネス上の挨拶として「握手」をすることが一般的ですが、強く握った方が相手に対し威圧もしくはやる気を表すことになり、弱い握手では相手にあまり興味がないと取られてしまうことがあります。また、握手を含めたボディタッチを好まない国もあるので、事前に下調べが必要です。
打ち合わせの際に「手土産」を持参する場合もあると思います。アジアでは有効ですが、欧米ではあまり意味をなさない場合もあります。そもそも「手土産=贈り物」と解釈され、禁止されている場合もありますか注意しましょう。
また、ドイツなどでは会議の際に入室や着席する際は年長者からというマナーがあります。社内で、以前にも今回の出張先に渡航した人がいれば詳しく聞くようにしましょう。
海外に渡航する人が、自身の安全を確保するための参考情報として、外務省が「外務省海外安全ホームページ」を作成しています。危険地域の情報やスポット的な情報などがあり、比較的安全とされている国への渡航を控えた人にも、ぜひ一読してみてほしい情報がたくさんあります。HP内の「海外安全ガイド」や「海外へ渡航するあなたへ~外務省からのお知らせ~」ではわかりやすく動画で海外での予防策・対処法を教えてくれます。
海外で車を運転する予定がある場合
海外出張の際に車を運転する可能性がある場合には、「国外運転免許証」を申請することができます。有効期限は発行日から1年間。ただし、日本国内で発行される「国外運転免許証」で運転できる国は、アメリカ、イギリス等をはじめとする「ジュネーブ条約」加盟国に限られるので注意が必要です。